冬山気分の生駒山紀行 2002/2/11

本当は連休を利用して生駒全山縦走コースを行ける所まで途中泊で
行くつもりであったが天候が悪く全然出発できない。
なんとか最終日、少し小雪がちらついていたが合羽を着込んで
正午に出発する。いつもの様に近鉄瓢箪山駅付近から”らくらく登山道”方面に上がり

六万寺登山道を登って行く。雪は止んだので合羽を脱いで身軽になる。

 

    らくらく登山道センターハウスを見上げる

 

らくらく登山道はアクセスが悪く、車で来る人が多い。おかげでこの辺りは交通量も多く空気も悪い。

六万寺登山道は入り口が分かりにくく、初めて来る人には要注意である。

六万寺登山道は六万寺池方面に直登するルートで穏やかな生駒山の登山道の中では

そこそこ険しいルートである。山道に入ると雪がぱらつくが、合羽を着込むほどではない。

しかし雪は登るにつれて激しくなり、ぬかるんだ山道は滑りやすく体力を使う。

禁煙で息切れは格段に少なくなり禁煙効果に少し驚きながらペースを上げてしまう。

 

     以外(?)に険しい六万寺コース

 

六万寺登山道は直登なので急坂なのだが、言っても生駒山なので大した事は無い。

しかし、通る人が少ないので道は荒れ気味である

あっという間に木製階段の所に到着する。

 

           木製の階段

 

階段の所にはタバコの吸い殻が何本か落ちており、気分を害する。

タバコのポイ捨ては確率の低い放火だと思うのだが、喫煙者の意識は低い。

さて、登山道はこの先で砂防ダムにさしかかるのだが、砂防ダムまで行ってしまうと

先は鳴川園地という東大阪市のレクリエーション施設である。こちらでも良いのだが

本来の六万寺登山道は砂防ダムが見えた所から右手の斜面にあるコンクリート製丸太の

階段を上がっていく方向に進む。ここは標識などが無いので分かり難い。

丸太階段を上がって行くとほとんど廃道に近いコースになる。少々不安にもなるが道は整備された

あとがあり、鎖場なども出現する。

 

      六万寺コース冒険の道の鎖場

 

鎖場があるし道はほとんど廃道なので、おこちゃまには厳しいかもしれない。

くまさん的にはなんの苦労も無く登って行く。

 

    突然現れる”キノコ”

 

山道の途中で唐突にキノコの群が現れる。中で休める様になっているが不気味だ。

どうやってここまで持ってきたのか不明だし、なんの為にあるのかもよくわからない。

金の使い方を間違っていると思う。

 

    途中の車道からの冒険の道への入り口 

 

廃道で木の枝などが行く手を阻む谷筋を登って行くと一旦車道にでる。

この車道はらくらく登山道の続きなのかどうなのかよくわからないが鳴川園地まで続いている。

一旦車道に出て六万寺池に着く頃には雪は本降りである。池の畔を歩いて更に尾根を目指す。

 

            六万寺池

 

尾根に到着すると鳴川峠である。大阪平野から吹き付ける強風で横殴りの雪がすさまじい。

尾根で合羽を着込み、リュックにもカバーをつける。

ここからはいつもの道を信貴山方面に向かう。尾根道は完全に雪に覆われている。

とても生駒山とは思えない雪の道。新雪を踏む感触が心地よい。

”ゆーきのふるまちを〜”などと口ずさんでみる。誰もいなさそうで、マニアックなおじさん登山者ばかり

9名ほどは抜いたりすれ違ったりする。くまさんも人の事は言えないね・・・。

 

  生駒全山縦走路から見る信貴生駒スカイライン

       (なんだかいい写真なので壁紙リンクあり)

 

鐘の鳴る丘では家族連れなどが休憩中だが、こちらは止まらずに通過。

ここから先は通る人もぐっと少なくなり静かな道。スカイラインを渡る歩道橋は

少し雪が積もっており注意して渡る。

十三峠に到着。

 

           雪の十三塚

 

十三ある塚にも雪が被っており、いつもとは少し違う雰囲気である。

 

            十三峠の椿 

            (壁紙リンクあり)

 

全く休憩無しでどんどん進む。しばらくはスカイラインと併走しながら歩く。

雪はどんどん激しさを増し、帽子に雪が積もる。

 

宗教団体施設の前では雪の坂道を上りきれないKトラックがずるずるとバックしてきた。

すぐに高安山と信貴山の分岐。信貴山方面に向かう。

途中でスカイラインを横切る場所があるが、スカイライン上は完全に雪道でノーマルタイアの車が

ゆっくりと走っていく。車列にはパトカーもおり、マイクで「注意して行ってください!」と言われる。

 

       雪の信貴生駒スカイライン

 

分岐からは一旦下りに入ってから最後にきつい登りになる。

雪がかなり積もっているので歩幅を小さくして登ってゆく。

空には青さが戻っており静かな雪道は残念ながら終了の模様である。

 

        雪の信貴山 空鉢堂

 

         空鉢堂からの眺め

 

空鉢堂に到着すると雪景色の展望がきれいである。

いつも思うがここは鳥居があるので神社のようであるが

そうとも言えない不思議な場所である。毘沙門天が地上に姿を現した

最初の場所であるということであり、聖徳太子が開いた朝護孫子寺の一部なのである。

有名な信貴山縁起絵巻の中で信貴山を復興した上人が托鉢に出した金色の鉢を

米倉に隠した長者がおり鉢が米倉ごと信貴山に戻ってきたという云われがあり

空を飛んだ鉢からお堂の名前がついたらしい。毘沙門天の使いの龍神を祀っており

龍神の化身は巳(へび)なので生卵とお酒をお供えしてある。

信心して願をかければ必ず叶う”一願成就”の神として有名である。

じゃぁ神様なのかと思いきや弘法大師もお祀りしてあるしよくわからん。

きっとそんな枠にはめる必要が無いのだろう。

 

     空鉢堂の参道

 

さて、空鉢堂からは朱塗りの鳥居をたくさんくぐって下りてゆく。

朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)の本殿では七福神の壁掛けを無料で頂けるので

信貴山の朱印料として300円を納めて頂戴する。

このお福掛は大和七福神巡りの朱印帳の役割もしているので七福神巡りをする事が

前提で無料配布されているものである。ということは七福神巡りにいかなきゃ!

またしても朱印という名のスタンプラリーにはまりそうな予感である。

好きなんだよねぇスタンプラリー・・・・。

本殿の前には経文を収めた大きな回る社のようなものがあって

一周まわせば納められた経文を全て読んだのと同じ御利益があるらしいのだが

力自慢のくまさんでも30cm動かすのが精一杯であった。やはり一人では動かない。

その横の宝物殿では信貴山縁起絵巻を公開中で入場料200円である。

見たかったのだがいつもお金を持たずに来るので今回はパスである

非常用の500円から朱印料300円を払ってしまったので残りの200円は非常時の

通信交通費という事で温存しなければいけない。

なんだかんだと境内を散策してみるがここは様々な神や仏が祀られており

現代風に言えば神仏の一大アミューズメントといった感じである。

さて、巨大な仏像の横から山道を下りて行くと信貴山断食道場の前を通る。

そこから町中を少し歩いて信貴山温泉の源泉を通り、車道を登って行くとスカイラインの

料金所である。さすがの雪でチェーン規制中である。料金所の横を一旦下りて

道なりにアスファルト道を登って行くと信貴山のどか村の前にでる。

ここからは恩智越えの勝手知った道である。そのまま進めば恩智越えの峠から

生駒縦走路に入るのだが、今回は時間がヤバイので高安山霊園の中を抜けて行く事にする。

なにしろ時刻は16時を回ってしまいまだ明るいがあと一時間もすれば闇がやってくる。

ヘッドランプを持っているので大丈夫だと思うが急がなければいけない。

墓石の横を抜けて霊園内から縦走路に合流して十三峠に向かう。

ケーブル高安山駅のには観光客が沢山いて雪景色を楽しんでいる。

万歩計の歩数は25500歩を過ぎた辺りだが膝が痛くなってきている。

水分補給して先を急ぐ。高安山気象レーダーを過ぎて宗教団体前に戻ってきた。

コンクリートの急坂は雪が溶けているが気温が下がってきているので凍結が心配である。

山道は日陰なので気温が下がると一気に凍る。用心しながら小股の急ぎ足であるく。

十三峠に到着。風が強い。大阪湾に沈む夕日が幻想的だが夕日のあとの闇が危険である。

急ぎ足で鐘の鳴る丘へ。雪のあとの大阪は空気が澄んで景色がきれいである。

日陰のベンチはすでに凍っており濡れてない所を探して休憩する。

とりあえず鳴川峠までは戻って下山する予定である。早めに下界に下りた方が明るくて

安全だろうが路面凍結していれば交通事故が恐ろしいので山道を行く事にする。

東大阪や八尾の地道は歩道整備ができていないので歩いて移動するのはいつも危険なのだ。

とはいえ暗い山道も危険である。日はどっぷりと暮れ、いよいよ前が見えなくなって来た。

ものすごい横風で山道は完全に凍結。気温は0℃程度だと思うが体感温度は完全に氷点下である。

つるつる滑るのでペースが上がらない。高安山から違和感のある膝が滑る山道で完全に壊れてきている。

最初は右膝、そしてまもなく左膝が動かない。こんな時こそ杖が欲しかったが最近は持って来ていない。

完全に日が暮れ、大阪平野の夜景がメチャメチャきれいである。

ものすごいピンチの時の景色ほどキレイという法則通りなのだ。

こんな時はジタバタしても仕方がないのでしばらく景色を楽しんでみる。

風に面していると芯から体が冷えるので早々に歩き出す。時刻は18時を回り真っ暗だ。

ヘッドランプの電池節約の為、直線などの比較的見える部分では消灯して歩く。

そんな歩き方は膝への負担が大きいがライトが使えなくなると動けなくなるのでぎりぎりの選択である。

なんとか鳴川園地まで来たので園の中を抜けて鳴川谷を下りる事にする。本当ならば

もっと歩き慣れていてなだらかな丁字谷方面まで行きたかったのだがこの暗さと膝ではしようがない。

鳴川園地を抜けて入場ゲートから車道に入る。目の前を黒い物体がすごい速度で走る。

なにかと思えばイノシシである。シノシシの跡は沢山見かける生駒山だがイノシシを見るのは初めてである。

このあたりが六甲の人慣れイノシシとは少し違うところである。

らくらく登山道に続くこの道を絶景の夜景を見ながら歩いて行く。真っ暗で夜景と星明かりの道を

一人トボトボ歩いていると「何やってるんだろう俺は」と思うが、これが放浪癖の悲しい性である。

下山道をいくつか見送って鳴川谷へのルートに入る。鳴川谷は深い谷なので真っ暗になるし

急坂でしかも道端には湧水や谷川があり道は濡れて危険である。なんかいる気配を感じる道でもあるし

ドキドキしながら下りて行く。なんとか水車小屋跡までやって来るがこの辺りが一番気配を感じる所なので

足早に通り過ぎる。道は分かっているのでこんな時は心強い。

らくらく登山道を横切ると霊場に入る。さすがのくまさんでもここはいつも怖い所である。

仏様にお辞儀しながら下って行く。ロウソクの明かりがちょっと不気味だ。

ロウソクの明かりが見えなくなると街の明かりで前方が明るくなる。

なんとか人里に戻ってきた。瓢箪山駅前まで下りると霊界から人間界に帰って来たような気分である。

膝も痛いので電車に乗っても良さそうなものなのだが、いつものように自宅まで歩いて帰る。

全くしょうがない人ですな。

午後8時到着。膝が痛む。歩行時間は8時間、歩数は46600歩、消費カロリーは2720Kcalであった。

今回は寒さと凍った夜道で膝を痛めてしまい少し心配である。

雪山気分は満喫したが生きてて良かったと思う山行であった。


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