「わざわざそんな道を走らんでも・・・ツアー」(和歌山方面林道と県道の旅)

期間:2003年4月10日〜4月14日

 

久しぶりに和歌山方面に林道メインでツーリングしようと思い立ち、

不安定な気候の隙をついて出かけてみた。


4月10日(木)

 

そういえばツーリングなんて長い事してなかったので、旅道具があちこちに点在していて

探し出して荷造り。思いの他時間がかかり午後3時に自宅を出発。

今日の野営地はいつもの山奥野営ポイントに決めているので暗くなって到着しても大丈夫である。

天気は良くて暖かい。明日以降は少し崩れるらしいが、連泊するのも良いと思う。

大阪からは暗峠を越えてR168へ。

R168を南下して大和高田市からR24へ。

御所市(ごせ)のサティで買出しする。酒やらパスタなどを買っておく。

R24で橋本市に入りR371へ。渓谷沿いを走る狭い国道。1〜1.5車線の連続。

交通量は少なく、気ままなペースで走る。久しぶりにフル装備のDF号は重く、感覚が取り戻せてないので

思ったラインをトレースできず、もどかしい。玉川温泉を過ぎる頃には暗くなってきた。

高野山の手前で県道53号高野天川線に入る頃には18時を回り、寒くなってきた。

出発前に冬用のジャンパーを着るか迷ったのだが、あれはごつくで動きにくいのでオールシーズンのウェアに

フリースのインナーという軽装で来てしまったのだが寒ければ合羽を着ようと思っていたのである。

陣ケ峰という山をあがっていく山岳路は登るにつれて気温が下がり、ついに峠付近で合羽の上下を着る。

暗い中、久しぶりの道なので取り付きを間違えて県道733号に行かなければいけないのに

県道53号を走ってしまったりしたが、途中で気付きUターン。

真っ暗な谷筋を走る。ここは奈良県吉野郡野迫川村。本当にこんなところにも人が住んでいるんだなぁって

いつもながらに驚くほどの山奥である。

野営ポイントは県道733号川津高野線から派生するドンつき林道なのだが、ここも久しぶりなので

どうなっているだろうか?

さーて、もうすぐ到着だなぁって思いながら入り口を見失わない様にゆっくり走る。

入り口を発見したが、いつもとは様子が違う。

工事の看板と多数の車両が出入りしたと思われる轍。

「なんか嫌な予感・・・」

とにかく入ってみることにした。

林道は昔のガレガレで溝だらけの状態とは一変してマディでフラットになっている。

走りやすいが、途中の第一野営ポイントは資材置き場になっている。

先の第二野営ポイントは重機の置き場になっていた。

その少し先の水場は雨の後だし、水量はある。

とにかく、奥まで行ってみることにした。

昔、ドン付きは川の合流地点になっていて奥は川に遮られて徒歩でしか進めなかったのだが

今はその場所がどこなのか判らないほどに掘り進められ、コンクリートの壁なども作られていた。

看板にあった工事期間はとうに過ぎているのだが、前に比べてもそれほど進んだとは思えない。

それだけ厳しい地形なのだと思う。

また一つ、野営ポイントを失ってしまったのだがとにかく水場で水筒を満たしてから林道を後にする。

数年の後にまた訪れたらどうなっているのだろう?この先にどこかへ続くとは思えない地形なので

ドンつき林道のままだろうと思うが、野営できるまでに適度に荒れてくれればいいなぁと思うのは

旅人の勝手な妄想である。

 

気を取り直して先へ進む。

もう真っ暗で時刻も20時を回っている。この時間から新たな野営ポイントを探すのは無謀なので

とにかく、昔から利用している城ヶ森林道の野営ポイントに向かうことにする。

野迫川からは護摩壇山を越えた和歌山県日高郡龍神村である。

弓手原から箕峠に上がって高野龍神スカイラインを走る。こんな時間だが数台の4輪とすれ違う。

ごまさんスカイタワーの灯が見える頃になると南谷城ヶ森林道の分岐に到着。

城ヶ森林道の初めは舗装道路である。

初めてこの林道に来た昔はほぼ全線が未舗装だったのであるが、

今は後半の8kmのうち残りダートは6kmほど。

ペースを上げられたフラットダート部分は完全舗装になってしまった。

途中にある電波施設の手前まで舗装道路を進むが、相変わらず崖崩れが多く、

コーナーは注意して進入しないと大きな岩が道路を占拠していたりするのでゆっくり走る。

鹿が多く、バイクのライトに照らされて逃げていく。

初めてここに来た時にはライトに浮かぶ光る目と大きな鹿の姿に驚いたものだが

今は慣れてしまって「今年は鹿が多いなぁ」くらいにしか思わない。

一番近づいて5mくらいだろうか。必死で逃げる鹿を追いかける形になってアクセルを開けられない。

なんとかガードレールを飛び越えて山に逃げ込んでくれたのだが、鹿も驚いただろうなぁ。

やっとダートに入る。最初はフラットダートだが、電波施設のところからはガレガレの狭い道になる。

崩れた箇所が多く、慎重に走る。

夜の城ヶ森林道は昔、小森谷林道で野営中に密猟者から逃れる為に夜中に走ったことがあるのだが

それ以来の夜間走行になる。尾根沿いのフラットな部分もあるが大半はガレで走りにくい。

特に夜間は岩を避けるのが難しいのでゆっくり走る。

ダートに入ると更に鹿が増えて合計で20頭以上も確認できた。

家族やらカップルやら子供やら。。。鹿もバラエティに富んでいるなぁ。

 

城ヶ森林道後半部分の一番の難所は急坂の上に崖崩れが道を占拠した部分で二足二輪歩行でゆっくり通過。

ツーリングマップルにはお勧めの林道みたく書いてあるのだが結構ハードな部分もあるので

初心者向けではないと思う。アフリカツインが谷に落ちてたこともあったしね。

まぁそんな林道を夜間に荷物満載のDF号で走る自分もどうかと思うのだが・・・(汗)

なんとか野営ポイントに到着してテント設営。

ここは林道からは遮蔽されていて静かで良い場所なのだが、水場が無いのが難点である。

とにかく落ち着いたので買出しした弁当と酒で晩餐。

時刻は22時の少し前である。

標高は1000mを少し超えた場所で寒い。風も強くなりつつあり、天候は悪い方向に向かっているようである。

ラジオではイラク戦争の事を盛んに伝えている。

スピーカーで音楽を聞くと電池の消耗が激しいのでヘッドホンで聞いていたのだが、

なんだか風の音に混じってエンジン音がしたような気がした。

こんな夜中に?

ほどなく、車らしいものが林道を走ってきたようだ。

スカイライン方面に向かっていく。

しかし、普通の車ではあの急坂ガレ道を通れるはずもないのでしばらくすると引き返してきた。

風も出て崖は不定期に崩落を繰り返すので、戻ってきた車も所々で止まって岩をどけながら走っているようだ。

密猟者だと怖いなぁと思ったが、何事も無く美山村方面に帰っていったようである。

あとは風の音だけ。

 

明日の予定を地図を見ながら考えていると酔っ払ってきたので就寝。

 


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