秋の高野山

期間:2001年11月17日〜11月18日

 

去年の夏の北海道以来の泊まりのツーリングである。

この一年でなんと1000kmしか走っていない・・・。

露天風呂製作の合間にタイヤもオイルも交換済みだが、

バイクでどこかへ出掛ける機会が減ってしまい

「これではイカン!」と思い立ったツーリングであった。

一昨年のシーズンまでは高野山と言えば林道を全て制覇し

何カ所かの野宿ポイントも決まっていて、暇な週末には

ぶらりと出掛けるお気軽スポットなのであった。

今回は久しぶりという事もあり、林道メインではなく

高野山の金剛峯寺にお参りに行く旅という事にした。

 

17日の土曜日。

早めに出発の予定が久しぶりの荷造りに手間取って11時出発。

まずは外環状線(R170)を南下。

府道なども織りまぜながらR310に入る。

奈良・和歌山県と大阪府の県境にそびえる金剛山を越える道は

何本かあるが、メインはもう少し南のR371で、R310の方は

狭くてコーナーも多い為、交通量は少ない。

峠のトンネルを越えると一時的に2車線路になる部分があり

オンロードバイクがハングオンしながら走っている。

この山道からは和歌山や奈良の山並みが美しく、街もよく見える。

狭路を用心しながら下りていくと、奈良県五條市である。

ここからR24を右折し、橋本市に向かう。

道端のスーパーマーケットで夕食と朝食の買い物を済ませ

橋本市からR371に入る。このR371も狭い道で曲がりくねり、

途中のトンネルは幅が2.5mしかないので大型車はもちろん

普通車もほとんど通らない道である。

散り始めた紅葉のトンネルを落ち葉を浴びながら走る。

金剛山の峠を越えたあたりから寒かったのだが、

R371にはいると、より一層気温が下がる。

出掛ける前に冬用のジャンパーを着ようか迷ったのだが

フリースのチョッキとオールシーズン用の上っ張りで来てしまったのだ。

最悪の場合は合羽を着ようと思っていたのだが、合羽の出番は

意外と近そうである。

それにしても、久しぶりに走るR371は曲がりくねっており、

R425には及ばないが、かなりのテクニカルコースである。

このまま道なりに進めば金剛峯寺なのだが、少し手前から

県道53号に入る。もう一つ山越えをしていよいよ野迫川町に入る。

それにしても山深い。よくもこんな所に人が住んでいるものだと感心する。

昔、野迫川町で食料品を買おうと思ったが何も無く、地元の人に

訊ねると橋本市や五條市まで買い出しに出掛けるのだと言う。

さて、こちらはいつもの野宿ポイントへ向かう。

詳しい場所は証せないが水場があって静かで良い場所である。

以前は荒れ放題だった林道も山仕事が入った様子で、少しきれいになった。

林道の紅葉はすでに散ってしまった部分が多く、少し寂しげ。

 

 

いつもテントを張る場所には木材が置かれていたので、もう少し山奥に

入った所にテントを設営する事にする。

 

 

水場でポリタンクに給水しておく。今年は水量が十分ではなく

2リットルのタンクをいっぱいにするのに小一時間ほどかかった。

 

 

水量こそ少ないのだが、岩からしみ出す清水はとてもウマイ。

さて、晩ご飯は定番のカンパンとインスタントのコーンスープ。

静かな自然が一番のごちそうなのである。

当然ながら禁酒中なのでアルコールも無し。

とても質素でつつましい野営なのだが、とても寒い。

なににろ標高700m付近の谷筋である。

日が落ちると気温はグングン下がってゆく。

夕方5時を回ると辺りは真っ暗。

CDプレーヤーと小型スピーカーをもってきたので、ユーミンとか広瀬香美などを

聞きながらゆったりとした時間を過ごす。が、寒いので寝袋の中である。

「千と千尋〜」の主題歌をエンドレスで聞いていると、

突然テント横で「ピュッ、ピュッ」という大きな声。

山から鹿が下りてきたらしく、音楽に合わせて歌っているようである。

4年ほど前までは高野山では鹿が多く、よく見かけたが最近では珍しい。

ともかく寒いのと久々の寝袋なのでなかなか寝付けない。

ラジオなど聞きながらまどろむ。

 

11月18日 日曜日

明るくなって目が覚める。テント内の温度は5.6℃、寒い。

湯を沸かしスープで体を温める。

天気はとても良く、日が当たれば暖かいのだろうが谷筋ではお日様は見えない。

荷造りを終えて8:00出発。合羽装着である。

龍神スカイラインを横切って花園村に下りるのだが、いつも越える峠道は通行止め。

迂回した上でスカイラインを箕峠まで走ってR371を下りる。

スカイラインは日当たりが良いので暖かい。

ここからは一路金剛峯寺を目指す。山道を抜けるといきなり巨大な山門が出迎え。

なんだか気持ちが引き締まる。さすがは真言宗総本山である。スケールがでかい。

金剛峯寺の近くにあった臨時駐車場にバイクを止めて拝観に向かう。

 

 

山では終わりの紅葉も、ここでは紅葉の赤がまぶしい。

早速、建物内部を見学する。入館料は500円。

お茶と落雁の接待があり、新館の広間で弘法大師の絵や曼陀羅を眺めながら休憩。

歴史を感じる内部には素晴らしいふすま絵や大使直筆の書画などもあり、

見所十分である。石庭は日本最大と言われ、紅葉と庭のコントラストが素晴らしい。

 

 

 

なんだか、心洗われる気分で金剛峯寺を後にして3km先の弘法大師廟へ向かう。

参道には墓地が広がり、歴史上の有名人の墓や様々な供養塔があり

いちいち感心する。

丁度、大師様の食事が下ろされる時間だったので立派な箱を担いだ

お坊様の一行とすれ違った。弘法大師は生きたまま入定されたので

大師廟で今も生き続けられているのである。

そういう聖地で写真を撮るのは反則なので、カメラは仕舞って敬虔な気持ちで拝観。

お守りとお札を購入して帰路につく。

帰り道も来た道を逆戻りすることにする。寒いが、大阪に入ると少し気温もゆるむ。

一時的に雨が降ったりしたが、おおむね良い天候で気持ちの良いツーリングであった。

 


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